税理士に不満があったら
~税理士を選ぶ時の考え方~

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(1)税理士に不満の会社が多い

ある大手コンサルティング会社が自社の会員企業にアンケートを

とったところ顧問税理士に満足しているが62% 不満があるが38%だった

という結果が出たそうです。

 

この数字をそのまま受け取る訳ではありませんが、中小企業のコンサル

ティングを行っている現場感覚でいうと、やはり税理士に不満を持つ企業が

多いのは事実です。

 

ある大手コンサルティング会社のアンケートによると

不満の理由として、次の4つをあげています。

 

①     メールやチャットへの返信が遅い

②     クラウド会計に対応して欲しい

③     能動的に質問してくれない

④     経営改善や資金調達の提案がない

 

①は税理士個別のことであるので何とも言えません。

恐らく小規模事務所で、税理士先生本人がたくさんクライアント

を抱えていて対応できないのかもしれません。言ってみても改善

できないのであれば、変更を検討した方がよさそうです。

 

②     クラウド会計については、近年増加している話しです。

ご年配の税理士先生の中でITが苦手な

先生については改善が難しいかもしれませんので無理であれば

変更を検討した方がよさそうです。

 

③     能動的に質問してくれない。

これも税理士あるいは担当者個人の問題

であるので難しい問題です。税理士あるいは担当者は「能動的に質問

することが必要である」と思っているのか?どうか、ここは一度確認

した方が良いです。

 

④     経営改善や資金調達の提案がない。

これは税理士先生にとって一番難問です。

税理士の役割ってそもそも経営改善なのか?資金調達

なのか?これは契約する際に確認してから契約すべきであって、もし

現在の先生がそこまでする先生ではなければそのような先生を探す

しかないでしょう。

 

以上大手コンサルティング会社のアンケートに基づいて、この①~④

について検討するなら①と②はそれができる税理士を探すのはそれほど

難しいことではありません。しかし③と④については難易度が上がって

特に④は相当難しいかもしれません。④については経営コンサルタント

の仕事を税理士に求めているからです。

(2)税理士に不満だからといって直ぐ変えると

近年は税理士紹介会社がいくつかあって、税理士を変更しやすく

なった事は事実です。

しかしながらその現場を見ている者の立場からすれば、税理士を代える

のは、かなり難しいと言わざるを得ません。

 

と言いますのも、基本的に「税理士さんの実力が外からは見えないから」です。

雑な言い方をすれば「よさそう」とかはわかるのですが、実際に良いのかどうか?

は顧問契約して1年~3年経過してみないとわからないからです。

 

私が知っている例で言えば、税理士さんを4年で3回代えた社長。

 

最初の税理士「資金調達について辛口であった」

社長はその税理士に不満だったので「資金調達し易い税理士に変更した」

その結果確かに社長が希望する資金調達はできました。

 

しかし2回目の税理士の時に、その税理士の力添えで無理して資金調達して

しまったために、返済が苦しくなった。

今度は返済の苦しさに対する適切なアドバイスがなかったためまた変更した。

 

3回目の税理士は、2回目よりさらに悪くなって、試算表を作るだけで、

有効なアドバイスがほとんどなかったとのことです。

 

その社長曰く、「結局最初の税理士さんが一番良かった」との

こと。

 

笑い話にもならない深刻な話しです。

 

このような出来事がなぜ起こったのか?というと

想像を交えて分析すると、

 

①     社長に正確な経営についての知識が不足している 

②     1番目の税理士さんの考えは正しいのだが、社長を論理的

に説得する能力がやや欠けていたのかもしれない。 

③     2番目の税理士は「目先のメリットだけを考える関与しては行けない税理士」

だった。 

 

 この事例での最大の失敗の原因は、「社長の経営の知識が浅く、目先の話しに飛びつく

こと」です。

 

これはこの社長に限った事ではありません。巷ではよく見受けられる話しです。

深く考えることなしに、税理士を交代するとこのような事になって

しまうこともありますから注意しましょう。

(3)社長が税理士を選べない理由

結論からいうと、良い税理士を選ぶには、社長自身が「経営」に

ついて一定のレベルの知識を備えていなければならないことです。

 

そのレベルに到達するにはある一定の年数と日々の学習が必要です。

 

創業当初は通常は難しいでしょう。

 

創業当初には、社長はまだ税理士を選ぶ目をもっていないので

そこは「運」が大きく影響してしまいます。

 

敢えてアドバイスすると、創業当初に選ぶ税理士は

社長の教育係となるような税理士を敢えて選ぶことです。

社長に耳障りな事を言う税理士です。

 

間違っても「イケイケ税理士」や「甘い税理士」を

選ばないことです。 

(4)税理士の本当の役割をよく考える

ここで税理士の役割とは何か?を考察してみます。

 

 税理士というのは何のために存在しているのか?

因みに東京税理士会のサイトから引用させていただきますと、税理士の使命とは

以下のように述べられています。

 

社会的使命とその役割

私たち税理士は、税理士法の定めによって「税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図る」を使命としています。 わが国の納税システムは、自らが計算して税務書類を作成し、納税するという「申告納税制度」を採っています。 私たち税理士は、皆さまの代理人として次の業務を通じて皆さまに代わって申告納税のお手伝いをすることを業としています。

(東京税理士会 東京税理士会について 税理士の使命より引用)

 

上記文面からわかることは税理士とは申告納税制度に基づいた納税義務の適正な実現を図る」ことを使命とされていると読み取れます。

 

つまり税理士とは経営者の都合の良いようなアドバイスする人ではないのです。

申告納税制度の理念に沿って法令を遵守して、納税者が適正に納税することをその使命としているのです。

  

経営者にとって良いと思う税理士は、税理士として良い税理士ではないかも知れないし、

逆に経営者にとって良くないと思う税理士が、本当は良い税理士かも知れないのです。

 

税理士とはいうのは中立な立場の職種なのです。 

(5)税理士の選び方のコツ

今まで述べて来ましたように税理士を選ぶのは非常に難しいのです。

でも誰か?を選ばなければなりません。

 

最初に戻りますと、あるコンサルタント会社のアンケートによる

税理士の不満です。

 

①     メールやチャットへの返信が遅い

②     クラウド会計に対応して欲しい

③     能動的に質問してくれない

④     経営改善や資金調達の提案がない 

 

① ②は契約時にしっかり確認して、必要であれば契約書にその旨を記入してもらって

も良いかと思います。また③と④についても契約時に確認することが必要かと思います。

ただし③と④を希望するのであれば、会社の方もその前提として少なくとも『自計化(自社で経理を行う)』を行う必要があります。

 

本来は会社の業務である経理記帳を税理士事務所に依頼しておいて③と④を求めるのは、正直言って、いいとこ取りであり、経営者のためにはなりませんし、担当する税理士事務所の方もきついかと思います。

 

税理士事務所には、記帳代行を主とする事務所と自計化を主とする事務所がありますが、上記③と④のような経営的な部分まで税理士事務所に求めるなら自計化を主とする事務所を選ぶべきでしょう。その上で経営アドバイスがどの程度あるのか?の勝負になります。

 

あと、税理士事務所の選び方は主に4つあります。

①     ご自身が信頼する経営のメンターや恩師に紹介してもらう。

②     商工会議所などの公的機関から紹介してもらう

③     ネットでホームページから選択してできるだけ数多く会って選ぶ

④     紹介サイトから紹介してもらう。

  

この内、④はお勧めしません。 

私のお勧めは③です。ご自分の目で確かめるのが一番です。

もちろん選択する自信がなければ①で、①のメンターや恩師がいなければ

②ということになりますが、この場合は当たり外れは覚悟の上でしょうか。

 

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