こんにちは、財務コンサルタントの遠藤信行です。
「売上が伸びない」「資金繰りが苦しい」「競争が激化している」——こうした理由で事業撤退を考える経営者は少なくありません。しかし、撤退を回避し、経営を立て直すことは十分可能です。
本記事では、経営危機に直面した際に社長が実践すべき5つの戦略について解説します。
これらの戦略を適用することで、撤退を防ぎ、企業の存続と成長を実現できる可能性が高まります。
1-1. コスト削減の徹底
撤退を防ぐためには、まず利益率の改善が必要です。そのために、以下の点を見直しましょう。
・固定費の削減:オフィス賃料、人件費、広告費などを見直す。
・仕入れのコストの削減:仕入れ先の変更や価格交渉を行う。
・業務効率化:ITツールを活用し、無駄な作業を削減
1-2. 高利益率の商品・サービスに注力
売上が低くても利益率の高い商品・サービスにシフトすることで、少ない取引でも利益を確保できます。
・付加価値の高い商品を提供する
・サブスクリプションモデルを導入する
・価格設定を見直し、適正な利益を確保する
2-1.資金繰り表を作成し、キャッシュの流れを把握
撤退を防ぐためには、資金ショートを回避することが最優先です。資金繰り表を作成し、現金の流れを把握しましょう。
・売掛金の回収を早める:支払いサイトの短縮を交渉する。
・支出のタイミングを調整する:支払いを後ろ倒しにする。
・資金調達の選択肢を広げる:銀行融資、補助金、助成金、ファクタリングの活用。
2-2 .不要な在庫を削減し、資金を確保
在庫が多すぎると資金が固定されてしまいます。
適正在庫を保ち、キャッシュフローを改善しましょう。
3-1.市場ニーズの変化に対応
市場が変化する中、従来のビジネスモデルが通用しなくなることもあります。以下の視点で事業の方向性を見直しましょう。
・顧客のニーズを再分析する:市場調査を行い、顧客の本当の課題を把握。
・競争優位性を再確認:自社の強みを活かせる市場を見つける。
・デジタルマーケティングを活用:SNS、SEO、広告を使って集客を強化。
3-2.新規顧客層を開拓
既存の顧客層に依存するのではなく、新たなターゲットを探ることも重要です。
・異業種とのコラボレーション:新たな販売チャネルを開拓。
・海外市場への展開:グローバル市場を視野に入れる。
・BtoBとBtoCの両方を活用:取引形態を多様化する。
4-1.組織の問題を洗い出す
経営危機の際は、組織の問題点が顕在化しやすいです。以下の点をチェックし、必要な改善を行いましょう。
・社員のモチベーション:士気が下がっていないか?
・リーダーシップの強化:経営陣が一丸となって危機に立ち向かえているか?
・適材適所の人事配置:人材の強みを活かした配置になっているか?
4-2. 経営者が率先して行動する
企業の未来を決めるのは社長の行動次第です。
社員の士気を高めるためにも、リーターとしての姿勢を見せましょう。
・ビジョンを明確に伝える
・社員と積極的に対話する
・成功事例を社内で共有し、希望を持たせる
5-1.短期・中期・長期の経営計画を策定
経営危機を乗り越えるためには、目先の対策だけではなく、長期的な視点が必要です。
・短期計画(1年以内):資金繰り改善、コスト削減、売上向上策。
・中期計画(3年以内):新規事業の開発、市場拡大。
・長期計画(5年以上):企業のブランド確立、持続可能な経営。
5-2.経営の透明性を確保し、社外の信頼を得る
社内だけでなく、取引先や金融機関にも経営状況を適切に伝え、信頼関係を築くことが大切です。
・定期的な経営報告を行う
・財務状況をオープンにする
・外部の専門家と連携し、経営改善を図る
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