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今回は資金繰りの悩みを解消する方法の第6回目、「固定資産の増加を防ぐ」というお話です。
そもそも固定資産とは何でしょうか?
固定資産をしっかり定義しておきましょう。
固定資産とは以下に定義されます。
(1)固定資産とは、1年を超えて使用し、また投資目的で長期間保有する資産である。
(2)固定資産は、①有形固定資産②無形固定資産③投資その他の資産の3つに分類される。
(3)①有形固定資産・・・建物、設備、車両、土地、機械設備、工具器具備品など形のあるものです。
②無形固定資産・・・特許権、営業権、ソフトウェア、のれんなど形のないものです。
③投資その他の資産・・・投資有価証券、長期前払費用など 投資や1年を超えて現金化される費用です。
以上が固定資産なのですが、ちょっと難しいですか?
貸借対照表(B/S)の左側の真ん中より下『固定資産』と書いてあるところに列挙されているものが「固定資産」なのです。
自社の決算書の「貸借対照表」で一度確認してみて下さいね。
固定資産で問題なのは、皆様が比較的よく見る、損益計算書(P/L)には、支払った段階では載ってこないことなのです。
なぜ「これが大事なのか?」って、思いますよね。
皆さん、ここを誤解されていますので、よく押さえておいてくださいね。
固定資産は、購入した、あるいは発生した時にはお金が減ると同時に、貸借対照表(B/S
)にだけ載るので、利益には関係ないということなのです。
例えば1億円の建物を建てました。
固定資産(建物)1億円増えて↑ 現金1億円が減る↓のです。
この時点で、損益計算書(P/L)には一切出てきません。
つまり、1億円のモノを買ったのに、その期の利益には影響しないのです。
というと、「いやいや、そんなことないでしょう」と言う方が出てきます。
「減価償却(げんかしょうきゃく)があるでしょう」と言う方が出てきます。
この方はよくわかっておられます。
そうなんです、固定資産は損益計算書(P/L)には出ないと言いましたが、減価償却した分だけは、損益計算書に載るのです。
減価償却を説明しておきましょう。
減価償却とは、資産とは、時間が経つに従いその価値が目減りしていくということに
着目した会計独特の考え方で、
例えば、1億円の建物が50年間持つとしましょう(これを耐用年数といいます)。
ならば、1億円の建物を50年で割って少しずつ費用にしておこうという考え方です。 (あくまで見積りです)
1億円の建物を50年で割ると、1年あたり200万円ですよね。
だから、1年間に200万だけ減価償却という費用にして、200万円だけ建物が目減りすると同時に、200万円を損益計算書に費用として載せるのです。
本題に戻しましょう。
1億円の建物を、期の最初に買いました。(4月~3月の会社で、例えば4月に買いました)
4月に現金が1億円出ていきます。
先程の条件で、1億円の建物は50年使えるとすると、減価償却は200万円できます。
期末の決算書には建物は9,800万円と載ります。
つまり建物を買った期では、キャッシュは1億円マイナスなのに、損益計算書にはマイナス200万円しか載らないのです。
損益計算書だけ見ているとダメな理由がわかっていただけましたでしょうか?
最後に固定資産は、何のために購入するのか?
長期投資目的です。
簡単に言えば、今期でなく、3年先、5年先、10年先に「収益」をあげるために購入するのです。
ですから、収益をあげない固定資産というのは、資金繰りを悪化させるだけで、企業にとっては必要ないものだということなんです。
「2,000万円のフ〇ラ〇リとかの車、買っていいですか?」
という質問をよくいただきます。
2,000万円の投資で将来、2,000万円以上のキャッシュを得られるという自信がおありなら、買ってくださいとお答えしています。(もちろん税務上はまた別の話しなので、そこは税理士さんとご相談くださいということで)
今回は以上です。
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