「利益は意見」「キャッシュは事実」という話

資金繰りの悩みとは?

前回、資金繰りの悩みというのは「腰痛」のようなものだと書きました。

今回はそのことに関連したことを書いてみようと思います。

ところで社長さまは、こんな言葉はお聞きになられたことがあるでしょうか?

「利益は意見」「キャッシュは事実」

会計専門家なら誰でも知っている言葉なんです。

これはどういうことかと説明をするために、決算書(財務諸表)の説明から入りますね。

決算書(財務諸表)は、貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)とキャッシュフロー計算書(C/F)の3つから成り立っています。この内最後の(C/F)は中小企業では作成が義務づけられてませんので、中小企業では馴染みがないかもしれませんので、話を簡単にするために決算書は(B/S)と(P/L)の二つだとします。

(C/F)については、またいつかご説明します。

決算書の内、さきほど出てきた「利益」は、損益計算書(P/L)から算出されます。
「キャッシュ=現金預金」は、貸借対照表(B/S)から算出されます。

ここはよろしいでしょうか?

あ、今は「ふーん」で、結構かと思います。
でも少なくとも前半の部分はいいですよね。

利益は損益計算書(P/L)から算定されるという話ですが、

損益計算書(P/L)は、

①売上高
②売上原価
③販売費一般管理費(販管費=経費)

が縦に並んでて、

①売上高-②売上原価-③経費=利益という形で、さきほどの「利益」が算定されます。

この「利益」に対して「法人」であれば、大体30パーセント~35パーセント(中をとって33%、利益の約1/3と覚えておいてください)の税金がかかります。

ここで2つの質問をします。

まず、

①税金を必要以上にたくさん払いたいですか? 

次に、

②税金を少なく払えたら嬉しいですか?

例えば、社長100人にアンケートを取ってこの二つの質問をしたとしましょうか?

①の質問にYESと答える方は、ほぼ0人なのではないでしょうか?

逆に②の質問にYESと答える方が、ほとんどだと思います。

もちろん、このブログを読んでいただいている社長様は、しっかりされた方だと思いますので
「脱税なんてことはしたくない」方だと思います。

「税金はちゃんと払いたいのですが、合法的に少なくできるのであればしたい」
これは、人間誰しもだと思います。もちろん私もそうです。
税金ってそのようなものですよね。

ところで、税金・つまり法人税は利益に対して33パ-セント(1/3)かかるとお伝えしました。

では税金を少なくするには、どうすればよいか?
このブログを読んでおられる社長でしたら、すぐにわかりますよね。
 

①売上高-②売上原価-③経費=利益

の公式に当てはめて、①を少なくして、②と③を実際より多く計上しようとしたらどうでしょう?

利益は少なくなり、その1/3である税金も少なくなりますね。
しかし、事実を歪めてこれをしたら「脱税」です。これは犯罪です。
告発されたら多額の追徴課税がかかりす。
逮捕されることもあります。

しかし、事実そのものを歪めることなく、事業での事実として「利益」を少なくしたら、それは合法になります。

事業での事実として「利益」を少なくする。

これはいわゆる「節税」といわれるものの一種です。
これは主に「経費」を現実に多く計上することによってなされます。

 

単純な例でいえば、
1,000万円の利益が出ました。
法人税は、単純に33%かけたら330万かかります。

法人税を約1/3にしたい!と社長が思えば、利益を1/3にすれば良いわけですよね。

利益を1,000万から300万にすると、法人税は330万から99万になります。

社長の思惑通り、法人税は1/3になりますね。
めでたし、めでたし!

いやちょっと待てよ!

じゃあ1,000万円-300万=700万の経費は何で作るの?

となります。

さきほどもいいましたが「架空の経費」は脱税です。

実際の経費がいるのです!
ここによく使われるのが節税のツール。

代表的なのが法人保険ですね。
全額損金(全損)や半額損金(半損)の法人保険に入って経費を作って利益を圧縮する。
2018年までみんなやってました。

しかしここに国税庁が2019年2月に待ったをかけて、解約返戻率が高く掛け金の半分以上が損金計上できる逓増定期保険が販売停止になりました。(しかしまだ全てがなくなった訳ではありませんが)

ここは節税を紹介するブログではありませんので、この話しはここまでにしますが、要するに「利益」というのは「社長の意思」で作れるのです。

「利益は意見」というのはこのような意味なのです。

これに対して、キャッシュ(現金預金)は作れないのです。
さきほどの例で保険に700万経費として使ったら、700万の現金が出ていくのです。
税金は確かに330万-99万=231万安くなりました。

ところが、お金は一時的に700万出ていったのです。保険会社にです。

節税をしようとして、法人保険に加入することによって、
231万-700万=-469万のお金が、一時的に会社から出ていったのです。
(もちろん、保険は加入時に一時的に税金を少なくしますが、解約時、満期時に保険金が入ってきたときに税金がかかります。ですから保険は、節税ではなく「課税の繰り延べ」だといわれます)

今日の結論です。

利益は意見であって、社長の意思で(ある程度)作れますが、キャッシュ(現金預金)は事実=現実なのです。

社長の思うように、そう簡単にはいかないのです。

ここが資金繰りの悩みが尽きない原因のひとつなのです。
社長が税金を少しでも少なくしたいと思って、何らかの方法で費用を多くすると、一時的にキャッシュ(現金預金)が減ってしまうのです。

これを防ぐには、節税というのは「会社に余裕資金がある時以外」はしてはいけないのです。

利益は大事なのですが、キャッシュ(現金預金)はもっと大事だということをわかって頂きたくて、
このブログを書きました。

今回は以上です。

 

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