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今回は資金繰りの悩みを解消する方法の第8回目、「借入金の増加を防止し、借入金を適正規模にする」というお話です。
借入金は、ほおっておくとどんどん増加する性質があります。
ここでの問題点は2つです。
①なぜ借入金はどんどん増えるのか?
②借入金が増加すると何が問題になるのか?
まず一番目の話しからです。
① なぜ借入金はどんどん増えるのか?
結論から言いますと、「管理ができてないから」です。
管理ができていないと、借入金はどんどん増加するのです。
これは「人間の欲望」と関係があります。
借入ました⇒大きなお金が一時的にどんと増える⇒気が大きくなりどんと使う。
これが普通の人間の性質です。
ご心配いりません。社長だけではありません。
誰でもです。
こうやって書いている私だってそうです(笑)
ただ、このままだと会社はいずれ行き詰って倒産してしまいます。
そこで「管理が必要」になってくるのです。
『管理』なんてめんどうくさい!
『管理』なんて、できればないほうがよいに決まっています。
でも『管理』が必要なのは、会社を倒産させないためです。
人間の欲望は限りありません。
管理は人間の行き過ぎを防止して、会社をコントロールするために必要なのです。
だから、この管理がないと借入金はどんどん増加するのです。
ただ、ここで一つ疑問がありませんか?
『銀行が貸してくれるのですよ』
こう思われたことはないですか?
こう信じている方は結構います。
「銀行ってちゃんと見て貸しているだろうから、つぶれる会社に貸さないだろう?』って。
これ、気をつけてください。
銀行はただそれだけで、貸している訳ではないのです。
銀行が貸す時は、銀行にもそれなりの事情がある時ある場合
もあるのですよ。
そして、審査は銀行によっても違いますし、同じ銀行でも、支店長、審査部、
担当者によっても違うのです。
だから、これを信じて、『銀行が貸してくれるからまだまだ行ける』
と思ってはいけないのです。
あくまで『客観的な判断』をすることが必要なのです。
2つめの問題です。
②借入金が増加すると何が問題になるのか?
借入金が増加すると2つ問題が出てきます。
①元金返済
②利息返済
① 元金返済
問題の一番はこれです。
当たり前のことですが、借入をすると『元金返済』が待っているということです。
ここまでは当然わかりますよね。
問題は『元金返済の原資』はどこか?ということですが、ここを正確に理解してくださいね。
中小企業の社長の方で、ここを正確に理解できていない方が結構おられます。
元金返済は、税引き後利益+減価償却で返済されるのです。
この、税引き後利益+減価償却をキャッシュ・フローといいます。
補足しますと、本当のキャッシュ・フローというのはもう少し複雑で、キャッシュ・フロー計算書を作成しないといけないのですが、おおよそのキャッシュ・フローを出すときにはこの簡易版が使われます。
これだと損益計算書(P/L)だけで求められるからです。
つまり、元金返済額とは、経費として落ちないので法人税を払った後の利益で返済するのです。だから税引き後利益です。
つぎに、減価償却は、固定資産を購入した時に既に支払った後に費用になるものなので、減価償却を計上して時点ではもう現金流出はないので、現金流出しない費用として、キャッシュ・フローを算定する時には足すのです。
ちょっと難しければ、キャッシュ・フロー計算時には減価償却費を足すとだけ覚えていて結構です。
つまり、借入金の元金を返済するには、黒字で利益を出して税金を払うことが必要なのです。
返済額を賄えるキャッシュ・フローが出ないと、会社の資金はどんどん流出していってしまい、どんどんどんどん資金繰りが苦しくなっていくのです。
よって、借入額が増加すると、返済額の返済のための必要利益がどんどんどんどん大きくなってしまって、『ああ、無理だ~』と なってしまうのです。
だから、借入額は「適正規模」にしないといけないのです。
ちょっと難しかったですかね~。
二つ目の問題です。
② 利息返済
の問題ですね。
こっちはわかりやすいでしょう。
利息返済額は 費用になりますね。
損益計算書の分類としては『営業外費用』です。
借入額がどんどん増えると、利息額も大きくなりますね。
利息があまりにも大きくなると、赤字になります。
赤字になったらキャッシュ・フローはどんどん苦しくなり、借入元本返済
できる資金もなくなり、資金繰りが苦しくなってしまうのです。
以上、借入金が増加し過ぎてしまった時の状況について書きました。
これを防ぐためにはやはり『管理』です。
借入金の増加を防止し、借入金を適正規模にするためには、管理が必要となって
くるのです。
今回は以上です。
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