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今回は資金繰りの4回目「在庫」のお話です。
物販の会社で「卸売り」「小売り」「製造業」の業種の方は、在庫に要注意です。
在庫というのは、仕入れた、とか、製作した、もので、まだ売れてないものです。
会計の勘定科目でいえば、「商品」「材料」「仕掛品」「製品」などです。
貸借対照表(B/S)の資産として、B/Sの左側に載っています。
在庫は「お金が寝ている」のです。
仕入れた時点で代金は払っています。
しかしまだ売れていません。
だから在庫である限り、入金は0円。
しかも棚や倉庫に置いてありますので、棚代や倉庫代がかかっています。
コストがかかっています。
しかも何度も言いますが入金は0円。
さらに言えば、在庫は、決算時点で、仕入代金からマイナスしますので、利益になるのです。法人税もかかってきているのです。
在庫のここのところは、少しややこしいかもしれませんが、在庫は損益計算書(P/L)の期末卸高として、当期仕入れ高から差し引くのです。
仕入れは費用です。その費用からマイナスするので、在庫は利益になります。
ということで、在庫の罪は以下の4点です。
① お金はすでに出て行っている。
② 仕入れからマイナスするので費用とはならず、利益となる。
③ 売れてないのでお金はまだ入ってこない。
④ 場所代の費用がかかっている。
このように在庫は4つの点で会社にとってマイナスなのです。
ですから在庫は時に「罪庫」と呼ばれます。
もちろん適正な量の在庫は必要です。
よくないのは、過大な在庫です。
特によくないのは「不良在庫」と呼ばれて、もう売れないのがわかっているのに倉庫に眠っている在庫です。
私も過去に多くの会社を見ましたが、物販の会社で、資金繰りが悪い会社の倉庫を見ると
不良在庫の山が眠っていることが多いのです。
しかし、困ったことに「社長の意識が売上オンリーである会社」は、この在庫をなかなか処分しようとしません。
私も、かって、年商100億位ある卸売業の会社にいたとことがありましたが、当時ずっとこの在庫と格闘していました。
なんと、コンピューター上の帳簿上の在庫と実在庫につねに大きなずれがあるのです。
毎月、毎月各支店の倉庫を回って、実際の棚卸に立ち合い、原因をチェックしていくのです。地道な作業です。
原因は様々です、実地での数量の数え間違い、単価の入れ間違いなどなど・・。
ある時、ある支店の倉庫だけ大きく差が開いているのを見つけました。
調べていくと、なんと社員が抜き取っていたのです。
不正でした。
在庫の問題では、このような不正と絡むことも結構あるのです。
ですから「棚卸し」という作業はものすごく大事のです。
話しが飛びましたが、「在庫=お金」なのです。
社長にはこの意識をもっていただきたいのです。
売上、売上って考えると、社長は欠品を恐れます。
欠品はミスミス売上のチャンスを逃す場合もありますから、少しでも在庫を持ちたくなるのはわかります。
しかし、それが積もり積もると、在庫過剰になって、ひどい時には会社が倒産してしまうのです。
ですから、「適正在庫」なのです。
「自社の適正在庫はいくらか?」
これを決めて、決めたら徹底して守ることです。
そして、不良在庫となったら、早期に処分すること。
これは社長の号令がなければ、誰もしません。
「在庫の問題は社長の意識ひとつ」にかかっているのです。
資金繰りが悪いということでお悩み時は、ぜひご相談ください。
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今回は以上です。
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